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年越しの準備…年越しには、はなれて住む子や孫たちも集まって来る。除夜までには、紅い紙にめでたい文句を書いた紙を門や窓、水がめや練炭などに張っていく。子供たちは飾り付けの手伝いをすることで、住まいにとって重要な場所やものが何であるかを学ぶ。

 

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風水装置…正房の屋根上には、このような風水照壁と呼ばれる壁状のものや風水楼と呼ばれる祠状のものがが設置されているケースがある。これらの中には、敷地内の空間的序列において最上位である正房の高さを増すために設置されるものと、隣家との高さのパランスを調整するために設置されるものがある。

 

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影神…大きな掛け軸のようなものに系図を図画的に書き込んだものを影神という。これは、一族の序列を住まいの空間的序列にあてはめて描いている。抽象化された住宅の正房中央に一族の始祖を描き、ピラミッド状に系図を記している。向かって右、つまり画面の中の正房から見て左のピラミッドは、分家したときの兄一家の系列である。最も下に描かれているのは住宅の門で、外から使用人が入ろうとしている

 

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土地堂…門を入って突き当たりの壁に取り付けられた祠には、上地神がまつられている。これは、家内安全を保つと同時に外から入ってくる悪鬼を退治してくれると信じられている。

 

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新築の住宅…新築の住宅では、プレキャストコンクリートを使った陸屋根のものが圧倒的に多い。また、壁を色とりどりのタイルで飾ることが流行している。材料は変わったが、中庭をもつ空間構成は、伝統的な住宅と同様である。

 

 

 

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