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自然と文化 第58号

 事業名 観光資源の調査及び保護思想の普及高揚
 団体名 日本観光振興協会 注目度注目度5


谷川…十八歳にして、既に日本の府県の区域が不自然であると主張しているのはすごいことですね。新潟県といえば越後ということになりますが…。

井上…新潟県については、東蒲原郡に少し問題があります。ここは、古代は越後で、中世・近世は会津領。明治の初め福島県になり、明治十九(一八八六)政治的な事情で新潟県に編入されました。年輩者の中には新潟県より会津に親しみを感じている人もおられるようですが、ただ古代の越後と佐渡を併せたのが新潟県ということでは、一応筋は通っています。

谷川…『大日本地名辞書』の中では、東蒲原郡は新潟県に入っていますが、例えば土佐国の記述に南宇和郡を入れたり、東京都に所属する伊豆諸島を伊豆国の中に入れたり、相模国の津欠井郡を甲斐国に入れたりしています。そのほうが自然なんです。今の渡辺さんのお話にあったように、吉田東伍の十八歳の魂が『大日本地名辞書』にまで続いているということですね。

渡辺…余談になりますが、『安田志料』の原稿用紙と『大日本地名辞書』の原稿用紙は同じものだったのです。『大日本地名辞書』の原稿は早稲田大学に保管されていますが、『安田志料』の原稿と並べるとどちらのものか区別がつきません。

谷川…なぜ一緒なのですか。

渡辺…その原稿用紙は旗野十一郎が愛用していたもので、本版刷りの自家製です。吉田東伍は晩年までずっとそれを愛用して使っているのです。なぜそれにこだわっていたのかは謎です。

 

009-1.gif

『安田志料稿本』原稿「田作考」の項。

 

009-2.gif

大日本地名辞書初版本の「もくじ」原稿。もくじだけで二五巻あるが印刷されなかった(東伍記念博物館蔵)

 

◎雑誌『史海』への投稿、田口卯吉と論戦

谷川…『安田志料』を書いたのが最初の執筆活動で、あとは漢詩を書いたりしているのですが、十九歳になると独学で小学校の教員の資格を得て、中蒲原郡大鹿小学校教員となる。二十歳に新潟学校師範部に入学するが、すぐに退学する。退学癖があるのでしょうか、面白い人です。

 

 

 

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更新日: 2019年6月8日

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