(山野先生)
防災設備などいくら設備をつけても、いざという時にそれを動かせる人とか、それを活用できなければかえって安心材料が不安材料に変わってしまう。ですから、本当は建物というものは人間が愛着を持って使っていれば、ここの設備はこうしようとか、こう直そうということになるので、建物は長続きすると思います。とりあえずこの部分を使ってみようとか、こう活用しようということからはじめて、それに対して専門家が、安全性はこのぐらいでという意見を出していけばいいのでは。あれだけの大きな空間を使えるのですから、大事に活用していけばと思います。
(馬場さん)
この町も他のまちと比べて優位なところがたくさんあると思います。それを活かしながら、劣っていると思われる所を補うような術を講じるものであってほしいと思います。それとまちづくりは交流人口を増やすことが大事だと思います。ここに熊取の赤レンガがあると内外に知らすというが大事であって知っている人だけでやっても大きな動きにはならないと思います。そのためにはまず使ってみる。使ったことを新聞などに出して知ってもらう。そこから活用方法がまた新たに分かってくるのではないかと思います。
(中西さん)
子ども達に中林のあとをどうしたいと聞きますと、木があってトンボやセミがいて、川がきれいになっていて川に入って魚とりしたい。レストランもあってもいいと答えます。お年寄りの方に聞くと趣味を活かして皆さんと楽しく過ごせるところと、若い人に聞きますと、コンサートができる、練習ができる場所がほしいと。そうしますとここは、お年寄りから若い人、子どもまでしょっちゅう出入りできる、ここからまちの文化が発展し情報を発信する。こういう風になれば熊取町の文化も向上してくるのではないかと思います。住民の声が結束できるように使えるところから使っていって、第一歩を踏み出せるのではないかと思います。
(米山さん)
地元の人が一生懸命にやっていることが観光資源なのではないかと思います。なにも生活文化とは人に見せるためのものではなくて、地域の住民の人たちがここを守っていく、使うということです。文化財は保存から活用へ。またそのために維持費がかかるので、収益も考えていかなくてはならないと思います。観光も地域を交流しながら地域も活性化するようにと変わってきましたから、独自のシステムを住民の皆さんとつくりあげていくことが大切ではないかと思います。
(コーディネーター 岡田)
まずは使っていく、知ってもらう、楽しんでもらうことから始める。そして保存活用のソフトとハードのシステムづくりを考えていく。こういった課題が今日のフォーラムからでてきました。これから調査報告のまとめをつくっていきますが、ワークショップ調査等の成果を活かしながらとりまとめます。歴史的な建物、レンガに囲まれたすばらしい建物が熊取町民の前に提示されたわけですから、自由に未来に向けて使っていこうと楽しくいろいろ展開すればよいと思います。そういう意味で今日の場所を借りて消防署でいうのは何ですが、この運動に大いに火をつけていきたいと思います。