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4) 洋風・近代建築について

(1) 大野郷土歴史館(旧大野治安裁判所) 大野市指定文化財 城町2-13

明治22年(1889)木造平屋建 入母屋瓦葺で外観は和風の意匠 正面(桁行)28.2・側面(梁間)12.7・の矩形平面のほぼ正面中央に間口12.7・奥行2.7・車寄を設ける。正側面に壁より約1.2・の位置に柱を3.6〜4.6・に建て、回廊とする。内部は中廊下型の室内配置で、内部空間は椅子式の生活様式で、入口のドアや高い腰壁に大きなガラス窓、高い天井など洋風意匠をもつ。小屋組はキングポストトラスであるが、十分その構造を理解したものとはなっていない。明治中期に和風の外観をもった裁判所が各地に建てられているが、県内に残る唯一の遺構として貴重な建物である。

(2) 岩治医院 本町 所有者 岩治勇一

明治末期 木造2階建入母屋造瓦葺

桁行16.9・梁間5.6・の矩形平面、南側に入母屋屋根の玄関ポーチをもつ。赤いレンガ積に似せた腰板壁とドイツ下見板張に繰り形額縁に囲まれた上げ下げ窓など、大野市内の伝統的町並の中で、一際目だった洋風建物であるが、詳細は和風要素を多く用いた擬洋風の意匠となっている。内部は木と漆喰を主に使用する。明治期の木造洋風建築の特徴を随所に備えた医院建築として貴重である。

(3) 岩治家住宅 本町 所有者 岩治勇一

昭和21年大火後、大野市下舌の安川家より移築 (「正見の間」の墨書の記録有り)元城内の建物の可能性あり、入母屋造瓦葺平屋建 数寄屋風書院 十二畳半の間が遺構とみられる。全体的に端正な構えの数寄屋風書院である。

 

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大野市郷土歴史館 大野市所有 明治時代 市指定

 

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