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33. 山田惇家住宅 明倫町10-24

主屋規模(間) 6×6.5 切妻造・瓦葺 明治33年頃

軒形式 登梁 庇形式 厚板葺

 

山田家は五番通りに面した間口6間の大きな町家で、現在酒屋を営んでいるが、以前は酒造業を行っていたという。建物外観は他の造り酒屋と同じように棟に越屋根を備えていたといい、事実屋根裏には棟に達する部分まで煤けた土壁があり、当主の話を裏つける。建物は通りに面して主屋を配置し、中庭を挟んで大正10年建設の梁間4間桁行6間の酒蔵、さらに背割り排水を超えて梁間3.5間桁行6間の土蔵を建てる。主屋は1階正面が格子の引き戸やアルミ戸となっているが、当初は蔀戸が使用されていたことが、柱に残る溝や現在も収納部に残る板戸によって判明する。室内は南側3間を通りから半間の土間をもつミセ、10畳の座敷、10畳の客間、縁側と続き、北側を納屋、居間、台所とする。北側の所室は昭和52年に改造されているが、小屋裏の痕跡から以前は土間であったことが考えられる。北側と南側の室境に3寸角欅の大黒柱と6寸角の桧脇柱を小屋裏まで建てる。2階は1階客間の上を洋間、その他を書道教室に改造されているが、以前は一室の物置と考えられる。

酒蔵は現在瓦葺で軒裏を垂木使用の方杖するが、昭和62年の改造以前は板軒であった。

 

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