1 調査の目的
地震発生直後に時々刻々発表される地震・津波に関する情報は、時間を追うごとにその精度・確度が増していく。地震発生直後のまだ十分な精度を持っていない段階であっても、地震の規模、津波の有無やその規模に関する推定値とその到達予想時刻などを、防災機関、交通機関、港湾関係者や道路管理者などへ事前に伝達できれば、利用者の地震・津波による被害の軽減に大きく寄与できる。(資料1参照)
このような情報は、事象発生後、数十秒程度の間に伝達されることで、より効果を発揮すると考えられるものであることから、情報伝達のためのシステムは、時間を要せず、堅牢かつ信頼性の高いものである必要がある。
そのような状況を踏まえ、本事業においては、地震時の即時的情報の伝達・受信のためのシステムについての検討を行うことを目的とし、研究・開発を実施した。
昨年度においては、地震時の即時的情報の伝達・受信システムの構築にあたって必要な技術開発の要素を抽出するとともに、利便性の高い端末(情報の受信装置)を含む情報伝達システムについての基本設計を行った。
今年度は、昨年度実施した基本設計に沿って伝達・受信システムの改良・開発を実施するとともに、その性能評価を実施した。