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3.4 観測結果

 

3.4.1 二酸化炭素濃度の観測結果

二酸化炭素濃度の観測結果を図3.4.1-1および図3.4.1-2に示す。

なお観測結果は水温等の補正計算を実施していない暫定値である。

 

3.4.2 水温・塩分の観測結果

水温・塩分の観測結果を図3.4.2-1に示す。

 

3.4.3 表層水温の測定結果と船内水温変化の補正

水温測定箇所はSBE 21(表層海水)、平衡器入り口、現場海水、シーチェストである。これらの測定に使用した温度センサー、温度計を同一の水槽に投入し、異なる12の水温で器差の検定をした。その結果は二重管式温度計に対して平均値(n=12)として最大0.06度の器差があることを確認した。また器差の標準偏差は最大0.08度であった。この値は船底温度センサーの分解能0.1度より小さいことを確認した。

船底シーチェストに設置した配管密着と非密着の二つの温度センサーは同期して変動を示した。この変動は配管密着の温度センサーの測定値が常に低いことから配管内を通過している海水の温度を反映していると推定できる。非密着の温度センサー側は船内の熱源により上昇した結果を反映していると考察できる。

現場海水の測定結果からも測定精度の範囲内で配管密着センサーの値が海水温度を正しく示していると考察できた。

以上の考察から船底に設置した配管密着の温度センサーの値を海水試料の水温とし二酸化炭素測定装置までの配管経路による温度変化を補正できる見通しを得たので温度補正を実施する。また本方法は専用の船底水温計を取付けることが困難な一般商船等からも高精度のデータを取得するために必要な船底水温の測定方法としてひとつの手法を示すものとなった。

 

3.4.4観測結果の公開について

水温変化等の補正計算を実施した観測結果は交通エコロジー・モビリテイ財団内にデータセットとして蓄積した後、温室効果ガス世界資料センターを通じて国内外の利用者へ提供する。

 

 

 

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