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5. 実験の効果・問題点等のまとめ

 

5.1 実験の効果のとりまとめ

今回の実証実験では、必ずしも十分な数のモニターが集まらなかったため、交通渋滞の緩和等では有意な結果が得られなかった。しかし、パークアンドバスライドといったTDM施策の一般市民への周知や、実験参加モニターの意見抽出(アンケート調査)など、相応な効果があったと判断される。

 

効果1. (交通施策の周知)

●パークアンドバスライド(P&BR)といったTDM施策を、多くの市民に知ってもらうことができた。

パークアンドバスライドというTDM施策は、一般市民にとっては必ずしもポピュラーな言葉ではないが、今回の実証実験で実施された広報活動により多くの市民に周知されたと思われる。

また、実証実験初日の夕方6時台のテレビニュースでは、NHK総合テレビをはじめ、民放4局全てが事後報道しており、多く市民が関心を持ったものと思われる。

 

効果2. (自動車交通量の削減)

●2ルート5日間で延べ587台のマイカーが削減され、ごく僅かではあるが交通流動の整流化に寄与した。

交通状況調査の事前事後比較分析では、交通渋滞の緩和や走行速度の向上等は確認できなかったが、理論的には、ごく僅かではあるが通勤時交通流動の整流化に寄与したことになる。

 

効果3. (温室効果ガスの排出削減)

●2ルート5日間で延べ550Kg(炭素換算)の二酸化炭素が削減され、環境負荷の軽減に寄与した。

1人乗りマイカーから多人数乗車のバスに転換することにより、自動車排出ガスが削減され、特に、温室効果ガスである二酸化炭素はドラム缶4本分のガソリンが排出する量に相当する。

 

効果4. (利用者意識の把握)

●実証実験と並行して実施したアンケート調査では、約80%の高い回収率が得られ、システムに対する評価や今後に向けての提案等貴重な意見を抽出できた。

システム利用者に対するアンケート調査では、全体で325票の配布に対し、約80%の高率で回収できた。

 

 

 

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