第1章 調査の目的と概要
都市内において、道路交通混雑の激化、交通事故の多発、環境悪化等が大きな社会問題となっている中、これらの問題に対応し、安全で快適な交通環境の実現を図ることが喫緊の課題である。
このような課題に対応する方策の1つとして、輸送効率の比較的高い公共交通機関であるバスを活用することが考えられ、都市(圏)内交通におけるパークアンドバスライドの実施が1つの有効な施策であると考えられる。
しかし、パークアンドバスライドに実施においては、交通規制の変更、駐車場確保、地域住民の合意等を必要とし、本格的に実施することが困難な面も多く、実験を行うなどして実施が検討されながらも実行に移されない例や、実行された場合であっても十分に利用されているとは言い難い例、さらなる推進を求められている例が存在している。
そこで、本調査では、都市(圏)内輸送において、パークアンドバスライド実施による効果や周辺への影響、クリアすべき問題、課題、並びに、試行実験の意義を明らかにした上で、パークアンドバスライドの実施上の留意点を整理し、本施策の実施に資することを目的とする。
そのために、都市(圏)内輸送としてのパークアンドバスライドを対象に、現在までに本格実施された事例や、実験を行うなどして検討されながらも本格実施に移行できなかった事例を収集及び整理し、効果、影響、問題、課題を整理する(第2章)。また、その結果をもとに、パークアンドバスライド実施上の留意点を整理する(第3章)。
尚、別途調査として進められる「パークアンドバスライド実証実験検討調査」で実施される実験の結果を、本調査の内容に反映させることとする。
