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4. 地域物流を取り巻く環境の変化

 

(1)供給サイドに係わる環境の変化

現在、トラック運送業界等における規制緩和の施行に伴い、物流業界における自由競争は本格化し、荷主事業者等の利用者に対して魅力あるサービスを提供できる物流事業者、物流システムだけが生き残れるという厳しい時代にある。

特に、四国地域においては、これらの規制緩和という事業環境の変化に加えて、西瀬戸自動車道(今治〜尾道ルート)の開通、四国縦貫自動車道の全通といった高規格幹線道路網の整備拡充に伴う事業環境の変化も予想され、地域の物流事業者、物流システムにとっては厳しい時代を迎えることが予想される。

また、昨今の地球環境問題に対する意識の高まりに伴い、エネルギー効率の改善、環境負荷の軽減といった社会問題に対応した物流システムの構築に対する要請も強まると予想される。

(2)需要サイドに係わる環境の変化

景気低迷、消費低迷が長引く中で、需要サイドである荷主産業界においては、企業合併、リストラ、コスト削減等の事業の合理化、効率化への取り組みが進められている。

例えば、松山港地域においては、石油業界7社が松山港の石油タンクを各社共同利用することで全体のコスト削減を図るといった物流効率化に対する取り組みが具体化している。

また、企業としての競争力確保を図るための物流コスト削減に向けた取り組みを強化する一方で、消費者ニーズへの対応を念頭に置き、多品種少量生産(多様な消費者ニーズへの対応)、低価格商品の供給等の商品レベルでの競争のみならず、商品の生産、調達、販売といった流通体系全体を市場での競争力確保の手段として重要視しており、サプライチェーンマネジメントの導入など、今後ともトータルロジスティクスという観点からの物流システムの高度化に対する要請は強まるものと予想される。

 

 

 

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