3. 経営全体に関わる主要施策と施策展開内容の検討
ここでは、経営全体に関わる取組の中から、「ISO14001認証取得」をモデル事業として取り上げ、その施策展開内容の検討を行う。
(1) ISO14000シリーズの概要と企業の動向
1] 概要
ISO14000シリーズは、国際的な標準規格を発行する民間組織である国際標準化機構(ISO)が生産、流通、組織などの活動が環境にかける負荷を少なくすることを目的に発行した、環境マネジメントシステムの国際規格である。
ISO14000シリーズは、「環境マネジメントシステム」「環境監査」「環境パフォーマンス評価」「ライフサイクルアセスメント」「環境ラベリング」から構成されている。その中でも、ISO14001は、ISO14000シリーズの中核をなす環境マネジメントシステムに関する規格であり、環境方針に基づきながら、経営管理サイクルである「Plan(計画)」→「Do(実行」→「Check(点検)」→「Action(改善)」、すなわちPDCAサイクルに対応させて環境マネジメントシステムを運営することを定めている。ISO14001が求めているのは、「環境関連法規制の遵守」のもとに、自ら「汚染の予防」を含めた環境目的・目標を定め、それを組織的に実現し、さらに「継続的な改善」を行う仕組み(マネジメントシステム)を構築し運営することにあり、あらゆる組織で適用できるようになっている。