はじめに
本調査報告書は、日本財団の平成10年度補助事業として実施した「先進的な環境対策活動調査」についての検討結果をとりまとめたものである。
運輸部門における地球環境問題に対する取り組みは、大手物流事業者においては、エコドライブ運動の推進等、具体的な取り組みが見られ、また間接的な環境対策ともいえる共同輸送等の実践例も多く、これらに関する調査も多く実施されている。
しかし、貨物輸送数量の80%以上を占める中小運送事業者に関する地球環境問題に対する取り組み事例についての知見は、現在の処、十分とは言えない状況にある。
中小運送事業者における地球環境問題への取り組みは、それ自体と言うよりも、コスト削減や、安全対策等の経営努力の一環としてなされている事例がほとんどであるが、これらの事例を発掘し、類型別に整理して明示する事により、多くの中小運送事業者が自らの問題として地球環境問題に取り組もうとする際の指針を得ようとするのが本調査の目的である。
調査に当たっては、学識経験者、運送事業関係者、関係省庁の方々からなる「先進的環境対策活動調査委員会」を設け、指導・助言を得ながら推進した。
中田委員長はじめ、委員の皆様方ならびに調査にご協力いただいた多くの皆様方に深甚なる感謝を申し上げる次第である。
本報告書が、運送関係事業者各位の地球環境対策への取り組み進展の一助となれば幸いである。
平成11年3月
交通エコロジー・モビリティ財団
会長 大庭 浩