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次のOHPではその根拠となるデータですが、ここでは2010年までのデータですが、急激に変化している様子がわかるのと、団塊の世代が高齢化するということで、ある意味では車社会で育った人が高齢化するということになります(図II-1)。車社会に育った我々が高齢化し、今度は車が使えなくなる、運転できなくなるといった場合どのような状態になるのか、ということを私は非常に心配しています。私はライフサイクルのモビリティの確保という視点で先ほどお話ししましたが、公共交通がないと、便利な車が使えなくなり歩くしかないのかということが非常に大きな問題となるのではないか思います。

 

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図II-1 日本における高齢化の進展

 

高齢者の交通環境ということですが、現在の状況で憂慮すべき点が何点かあります。まず高齢者の交通事故の急増であり、年間約3000人強がその犠牲となっています。とくに歩行者が多いのですが、最近では乗用車の運転中の事故が多いようです。次に加齢に伴う身体的移動制約があり、とくに75歳以上の後期高齢者が増えるということです。社会的・経済的移動制約の増大ということで、問題はその格差の問題です。車が使えるかどうかでモビリティ格差が拡大するおそれが非常に大きいということです。ということは公共交通が廃れてしまったところがではじめているということで、憂慮しています。代替交通サービスの悪化ということで公共交通や歩行条件がどんどん悪化している。

次に、交通は高齢社会・福祉社会においてどのように重要になるかという点については、当然のことながら交通は社会参加の前提になります。自由な自立的移動がモビリティということですが、その前提となります。当然その時には、安全性・利便性・快適性・選択性があるか否かが重要となり、車だけでは、あるいは車しかないということではやって行けないのではないかということが大きなポイントといえます。また、現在を含め、今後の高齢者はアクテビティが高い元気なお年寄りが半数以上に上ってくるのではないかと考えられます。パーソントリップ調査でみますと、職業を持っているかいないかにより大きな差はありますが、職業をもっていないという方の中で、この高齢者の方というのは健常者の方とほとんど同様に動いているという状況が多く見られます。

 

 

 

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