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2.4.4 波源モデル及びパラメータ

 

ここでは昭和東南海地震の波源モデルとして、相田(1979)*のモデルを用いて計算結果を検討した。また、昭和南海道地震の波源モデルとして、津波の検潮記録を主に用いて求められた相田(1981)**のモデルを用い、比較として、地盤変動量を主に用いて求められたKato(1983)***モデルでも計算を行った。

* 相田勇、1979年、1944年東南海地震津波の波源モデル、地震研究所彙報、54、pp329-341

** 相田勇、1981年、南海道沖の津波の数値実験、地震研究所彙報、56、pp713-730

*** Kato、T、1983年、HIGH-ANGLE REVERSE FAULTING ASSOCIATED WITH THE 1946 NANKAIDO EARTHQUAKE、Tectonophysics、96、pp31-44

波源モデルは、断層パラメータと呼ばれる量で記述される。断層パラメータの定義を図2-4-4に示す。

 

(1)昭和東南海地震

相田(1979)モデルは、津波計算結果を観測された沿岸津波高分布や検潮記録と比較することにより求めたものである。震源モデルの平面図、見取り図を図2-4-5に、断層パラメータを表2-4-1に示す。また、初期水位分布を図2-4-8に示す。

 

(2)昭和南海道地震

相田(1981)モデルは、津波計算結果を観測された沿岸津波高分布や検潮記録と比較することにより求めたものである。また、Kato(1983)モデルは、四国南西部の井ノ岬付近での隆起が南海道地震の主断層だけでは説明しきれないため、副断層の存在を推定した。1937〜1947年の間の水準測量データから広域的なトレンドを除いたものを、この副断層による変位場と考え、21の水準点における上下変動量を入力データとして用いた、断層の位置を適当に定め、他のパラメータの組合せをいろいろに変えて理論地殻上下変動を計算し、上記観測値との一致のよいものを選択したものである。震源モデルの平面図、見取り図を図2-4-6、2-4-7に、波源パラメータを表2-4-2,2-4-3に示す。また、初期水位分布を図2-4-9、2-4-10に示す。

 

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図2-4-4 断層パラメータの定義

 

 

 

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