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3 インドネシア海軍の現況

 

(1)インドネシア海軍の活動

1996年9月8〜19日、インドネシア国軍は、南シナ海のナツナ諸島近傍ににおいてLATGAB VII演習を行った。この演習には、4軍(陸・海・空軍・警察)の19,525人が参加し、天然ガスの豊富に埋蔵されているナツナ諸島の防衛のための訓練を行った。この演習は、統合作戦の枠組みでばかりでなく、マレーシアとの連合作戦も考慮したものであった。マレーシアとの連合作戦の演習は、1996年8月19〜30日にわたって行われた。これらの演習には、配備されたばかりのF-16も参加した。また、旧東ドイツ海軍から購入した中古艦艇の一部の改造作業が終了し、この演習に参加した。インドネシアは、1992年に旧東独海軍の39隻の艦艇の購入についてドイツとの間で合意に達した。その内訳は、以下のとおりである(12)

パーヒム級コルベット16隻

フロッシュ級揚陸艦14隻

コンドル級掃海艦9隻

このようなインドネシア海軍の活動は、最近のインドネシアの関心を現している。ナツナ諸島をめぐる中国との問題については、次のような経緯があった。1995年初頭に発行された中国地図では、ナツナ諸島北東の天然ガス産出地帯が、中国の領土とされていた。この地域の採掘可能な天然ガス資源は、一兆3500億立方メートルと見積もられており、インドネシア政府は将来の重要な財源とみなしている。94年11月、国営石油公社は、アメリカのエクソン石油との間でこの地域での油田開発のために400億ドルの契約を結んでおり、95年には供給契約を結ぶために貿易使節団を送る準備をしていた。インドネシア政府は、中国に対して地図に描かれた国境線について説明を求めた。また、ナツナ諸島周辺海域の軍事パトロールを強化することを宣言した(13)

 

(12)Herrmann, Wilfried A.,New Ships in the South China Sea, Naval Forces No.VI/1996,p.8

(13)平和・安全保障研究所編『アジアの安全保障1995〜1996』朝雲新聞社、1995年11月、213ページ

 

 

 

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