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域から孤立化することが懸念される。しかも、呉市地方拠点都市地域あるいは西瀬戸地域を形成している複数の島しょ部は、アクセスを海上交通に大きく依存しているため、島しょ部から呉市内、呉地方拠点都市地域から広島市への通勤・通学者が多く、災害時陸路寸断による帰宅困難者の大量発生や復旧・復興期の職場・学校復帰の遅れや不便が生じる恐れがある。

呉市街地は、公園緑地が乏しく、土地開発余地が少ないため、広域避難場所や災害廃棄物の一時保管場所、応急仮設住宅の建設用地となる大規模なオープンスペース確保は困難となっている。

そのため、港湾を被災地における応急・復旧・復興活動の拠点として位置づけ、防災拠点としての機能整備を図る必要がある。

(3) 廃棄物の広域処理の(受入)拠点としての機能を担う

近年のごみ量の増大、ごみ質の多種多様化に伴い、既存最終処分場の残容量が大幅に減少している。これに加えて、焼却工場・破砕処理場の老朽化が進み、ごみの処理・処分施設の処理能力の低下が課題となっている。しかも、ダイオキシン問題が全国的に深刻化しており、一定以上の規模を確保し、ダイオキシン対策に対応した処理施設整備が必要である。

このような要請に対して、島しょ部人口は年々低下しており、単独によるゴミ処理施設の整備・運営は経済的に非効率的であり、また、地域環境への対応という点でも問題を抱えており、広域処理が必要となっている。

(4) 海洋環境産業のモデル事業の場としての機能を担う

呉市に蓄積された技術力、情報力、信用力、人材を活かして、新たな産業分野への展開(新材料、技術開発など)を図ることによって、一般機械器具、鉄鋼、造船、金属製品等の重工業に特化していた産業を活性化させるとともに、今後成長が見込まれる新規の産業(海洋環境産業など)の起業化や立地を促進することが必要である。

 

 

 

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