日本財団 図書館


第5章 新たな機能整備事業の場の創出方法

 

1 メガフロートの特性

メガフロート(鋼製の箱状の浮体ユニットを多数、洋上で溶接接合して建設した大型浮体式鋼構造物)については、鉄鋼業界、造船業界の参画を得て、平成7年4月に設立されたメガフロート技術研究組合を中心に、浮体の弾性挙動、洋上接合、耐久性、維持管理方法、振動騒音の制御、環境影響評価等の実証的な研究開発が進められている。メガフロートは、概ね次の特長を有し、多様な分野への活用研究が進められている。

1] 優れた耐震性

2] 移動が可能(撤去可能)

3] 環境への負荷が小さい

4] 浮体の内部空間の有効活用が可能

5] 建設工期の短縮が可能

6] 潮の干満差の影響を受けることなく親水性に優れている

7] 過密地域にも用地確保が可能

このような特性を活かして、メガフロートは図表5-1に示すように交通基盤、都市基盤、エネルギー施設、海上都市、レジャー・観光施設、というような多様な領域への活用が想定されている。このような用途の多様性に関してのメガフロートの特徴は、その用途とそれに伴う基準に合わせて強度等の構造設計(二重壁など)の自由度が高いことである。例えば、ヘリポートをもった施設を考える場合、ヘリの格納庫に合わせて高さ10メートルのサイズの浮体ユニットを組み込むことが可能である。また、港湾施設として利用する場合、着岸する船舶の種別、大きさにあわせて施設の規模を決め、クレーンやコンテナ必要とする場合は、その振動を考慮したデザインを行うことにより、適切な港湾施設を計画できる。

 

 

図表5-1 メガフロートの用途

 

114-1.gif

資料:メガフロート技術組合資料

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION