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エ モーダルシフトの可能性(必要性)

モーダルシフトは、効率性の確保、環境問題への対応などの観点から、早急に推進していく必要性が指摘されている。しかしそのためにはクリアすべき課題も多く残っている。

■ 年々増加してきたトラック輸送シェア

現在、わが国の国内貨物輸送に示すトラック輸送のシェアは、トンベースで90%、トン・キロメートルベースで50%を超えており、国内貨物輸送の大半を担っているトラック輸送は、物流が「多頻度・小口化」してきている中で、比較的ロットの小さい貨物を、荷主の希望する時間・場所に対して柔軟に輸送することができ、年々そのウエートを増加させてきたと考えられる。

■ 求められるモーダルシフトの推進

今後は、労働力人口の減少に伴う労働力不足、環境問題、道路混雑、エネルギー問題等といった社会的問題が顕在化してくる。これにより、長距離幹線輸送については、トラック輸送からより効率的な大量輸送機関である海運・鉄道への転換(モーダルシフト)の推進下施策を早急に進めることが重要課題である。

広島県内においては、労働力人口の低下、道路渋滞による効率性の低下や排気ガスによる環境悪化が今後深刻下することが懸念されるため、モーダルシフトの推進が求められる。

■ モーダルシフト進展の現状と条件

海上輸送は、トラック輸送に比べ、大量の貨物を安く輸送することが可能であるが、海上航路、輸送ダイヤ、頻度等に制約を受けるため、現状ではモーダルシフトの進展は十分にはみられない。モーダルシフトを推進する上では、トラック輸送と遜色のない海上輸送サービスを確保することが重要であり、とりわけ、トラック事業者の求める輸送スケジュールに対応した海上輸送ダイヤを確保することが必要である。

 

 

 

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