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第1章 呉市及び呉地方拠点都市地域の社会環境の現状と特徴

 

1 自然条件上の特徴

 

(1) 位置及び地形上の特徴

呉市は広島県西南部に位置して瀬戸内海に面し、年間を通じて気温較差の小さい気候穏和な地域である。

呉市は、市域面積146.23km2のうち、54%が標高300〜800メートルの急峻な山塊であり、平坦地が少なく、開発余地の少ない土地利用特性を有している。しかも、海岸近くまで張り出した山塊によって、市域は、吉浦・川原石・旧県中心部・阿賀・仁方の各地区に区分されている。土地利用の状況を見ると、市全体の有租地面積の約5,578ヘクタールのうち、約36%が山林、約32%が宅地、約26%が田・畑となっている。(図表1-1)

また、平坦地が少ないため、可住地の人口密度は、広島市に次いで2番目に高く、都市の過密化が進行している(図表1-2)。特に、海岸部は、臨海型工業集積と港湾施設によって占められており、住宅は、山塊の急傾斜地に張り付くような形で展開している。

呉市地方拠点都市地域は、呉市を中心としてして1市12町によって構成されているが(図表1-3)、瀬戸内海の沿岸部と人口の少ない倉橋島、江田島、東西能美島、安芸灘諸島の島しょ部(10町を占める)からなっている。島しょ部も呉市と同様に山塊や丘陵の占める面積が大きく、可住地面積が小さく、市街地や集落が分断されている。

その中で呉市は、産業、都市機能等の集積・強化を図るなど、これらの地域の拠点都市として重要な役割を果たしている。また、呉市は、治岸部と島しょ部を結ぶ海上交通の要衝となっている。

 

 

 

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