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このような経済活動を支援する公的な指導機関についても、人的強化を通して陣容の拡大が必要とされる。商工会活動を例に取れば、3町の会員の相互出店が進み、行政界ベースの指導体制の意味が無くなっている。連携によって、より高度な指導体制を組むことが可能になる。

産業活動に対しては、行政が直接サービスを提供する事業以上に、方針づくり(3町連携によって、方針作りを規定する地域資源の多様化・豊富化が図られる)と啓発活動、及び、指導体制における共同化を通して指導力を強化し、サービスレベルの高度化を図っていく必要がある。

その際、行政サービスの総合性(ワンストップ化)、専門性、効率性が要請される。特に、専門性を総合的に確保するためには、全て自前で賄えないことがあり、外部機関などとのネットワークを活用した連携関係による確保が必要である。この場合、連携関係を形成していくためには、自らが高い専門性や魅力を発揮し、情報発信する能力がなければならない。そして、情報発信力を高めるには、発信内容の豊富化が必須の条件である。

 

ウ 連携内容

 

(ア) 農水産業

 

農業は、既に最も多様な連携事業が行われてきている。特に、従来の連携活動の取組をみると、営農指導面をはじめとして、参加者全員のメリットが想定されるテーマについてはほとんどのメニューは完備している(高性能選果機の導入など)。

これに対して、産業としての基盤を確立するための将来の目標像があるが、これを実現していくために利害関係者の意識を変えていく必要のあるテーマ(中核農家育成のための農地集約など)については、仕組みを推進していくための体制が組まれているが、十分な成果を上げるだけの運営体制が組まれていない状況にあるといえよう。

そのため、共同活動の効果を織り込んだビジョンづくり(農業においては土地利用計画策定など)を踏まえて、認定農業者などの経営環境づくりに関わる取組などの総合的な営農指導体制の共同化を重点的に進める必要がある。

 

 

 

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