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しかしながら、兵庫県養父郡の4町にみられるようなCATV網の整備の事例は、従来の無線放送などに変わる情報通信網の整備手段として、当地城での応用も検討できるかもしれない。また、広域連携によって情報発信を行っている事例として、北海道網走支庁内26市町村において実施されているオホーツクインターネットが有名である。これは網走市長のリーダーシップを核に民間企業が運用面でこれに協力する形で進められたものであり、地域社会へのより一層の浸透、地域における人材育成、地域振興との連動、などの課題を抱えながらも、以下のような効果が明らかにされている。

 

1] 地域の対外的アピール

対象地域を一体として情報提供を行うことにより、地域外へのアピール力が高まる。問い合わせや反響のほとんどは大都市圏住民からであり、この地域の知名度の向上に役立っている。

2] 地域コミュニテイの情報リテラシー向上

インフラを整備し、利用環境を構築することによって、地域社会の情報リテラシーの向上に役立っている。

3] 地域内の情報流通促進

地域内市町村役場のメーリングリストを開設したことにより、地域内市町村の情報流通が促進された。また、地域情報をまとめて掲載したことにより、地域住民が近隣の市町村の地域情報を知ることができるようになった。

4] 安価な情報インフラの提供

ゲストボートを開設しており、1回につき20分までアクセス料無料で開放している。当初はWWWだけであったが、メールのパケットも利用できるようにしたところ、アクセスポイントが遠いプロバイダと契約している地域住民がメールサーバにアクセスするためのゲートウェイとして利用しはじめた。このことから、安価な情報インフラとして認知されていることがわかったほか、このようなインフラに対するニーズがあることがわかった。

 

イ. 産業分野

 

産業分野では観光に係るものが多い。これは、民間を巻き込むことで、比較的負担が少なくてすむ一方、単独の自治体ではなかなか十分に行えない宣伝を、複数自治体の連携でやることで規模の経済による効果が上げられることが期待できるためと思われる。

例えば、鳥取、島根、岡山、広島の4県の県境に位置する16市町村により構成される中国山地県境市町村連絡協議会(県境サミット)は、圏域を森林都市圏と位置づけてエメラルド・シティと名付け、域内の民間事業者の観光施設などの優待パスポート「エメラルド・パスポート」の発行、モニターを募集しての広域観光ルートの創作、域内の道の駅での域内の特産品の販売、ホームページからの情報発信などの事業に取り組んでいる。

 

 

 

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