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7 各種団体等の聴取調査(ヒヤリング)の結果

 

本村の保健・医療・福祉を中心とした現状及び特質を把握するために、本村のそれらに関係する行政及び各種団体、村外の行政及び企業並びに各種団体を対象に聴取調査を行い、本村の定性的な傾向を探った。その結果は、以下のとおりである

(1) 健康づくり

調査の過程で複数個所から指摘された事項は、1]肥満傾向のある児童が多い、2]小学生の虫歯の罹患率が高い、3]高齢者の食事に偏りが見られるなどである。

肥満傾向については、平成9年度において名栗小学校男子の学年別の体重の平均は、全国、埼玉県の平均体重を全学年で上回っている。この背景には、「テレビゲームなど一人で遊ぶことが中心になっている」こと、「遊び場が少なくなった」こと、「バスで通学する児童が全児童の半数近くを占める」ことなどが指摘されている。さらには、「親子での遊び(コミュニケーション)が、共働きの増加に伴い少なくなっている」こともその一因として指摘されている。

歯に関しては、歯科指導の担当者は、村民の中には「歯の健康」に関する認識は薄い人もいるため、啓発の必要性を感じており、また、「子どもが友達の家で遊んでいると菓子をあげる傾向が都会よりある」という指摘もなされている。虫歯の対策など歯を健康に保つということについて力を入れていく必要性が認められている。

高齢者については、「食事の偏りが見られる」、「食が細くなるためか副食がない」など食生活を心配する指摘もされている。そこで、「一人で食べるのではなく多くの人と会食できないか」、「簡単にできる副食の作り方を広報できないか」など、健康づくりに限らず、生きがいづくりも含めた対策について考える人も多い。こうした傾向は、独居及び高齢者夫婦だけの家庭も増えていることから、さらに拍車がかかるという認識が高い。また、高齢者の食卓を豊かなものにする対応としては、世代間の交流、ふれあい・生きがいづくりも重要な取組分野として強く求められている。

 

 

 

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