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(2) 商業者

中心市街地の活性化と鉄道乗り入れを有機的に結び付けていくために は、まちづくりに対する積極的な取り組みが求められる。まちづくりにおいては、商業者が中心となり、具体的な動きを興していくことが、まず重要である。

第5章でも予測したとおり、鉄道の乗り入れ実現に際し、まちへの回遊は確実に増加すると考えられる。しかし、これが商業の活性化とイコールでないことを認識することが必要である。商業の活性化のためには、まず、各商業者が地域の需要やニーズに機敏に対応することであり、魅力ある個店作りを行うことである。とにかく、求められる第一は、商業者自身の自助努力である。

そして、鉄道の乗り入れは、まちの活性化のためのひとつのきっかけになることが期待されるが、それを現実のものにするのは商業者の熱意によるところが大きいといえる。

 

(3) 企業

天竜市内には、工場や事務所等の事業所が多く立地している。これらの通勤、業務などにおいて、公共交通を積極的に活用することが求められる。

この点については、市民同様、環境問題への配慮、交通渋滞の解消などの観点、及び企業の社会的な貢献といった点も含めて、対応することが求められる。

また、企業サイドとしても、社員・職員等の公共交通利用に対する支援制度を、独自に創設していくことが望まれる。

 

以上、乗り入れ実現に向けての課題について整理してきたが、今後、交通事業者、行政、市民が一体となって、その実現に向けて継続的な取組を行っていくことが望まれる。

 

 

 

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