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で、乗り入れ基盤の整備を行った場合でも、遠州鉄道の乗り入れ区間の収支はやはり赤字である。しかし、遠州鉄道によれば、この赤字額の処理については、多少血の出るような経営努力が必要だが、ケース1のような膨大な赤字とはならずに、経営の根幹を揺るがすような事態にはならないということである。

また、この方法によれば、いかなる整備主体であっても、投資的経費については、直接関係する公共団体の支援を受けることで、財務上の負担を解消し乃至は軽減緩和することができる。さらに、相互の交渉事項に属するが、整備主体によっては、乗り入れ料を得ることができる状況になり、経営的にはプラスになろう。

 

なお、天竜浜名湖鉄道の投資方法は、地域に根づいた広域的な公共交通機関である同鉄道の地域的な特性に鑑みて講じられた措置であり、この方法の単純な踏襲には慎重な配慮が求められるところである。さらに、これらの支援が、鉄道経営にモラルハザードを生じないような十分な注意が必要であることも指摘しておく。

 

(4) 公共補完型で整備した場合のメリットとデメリッ卜

遠州鉄道か天竜浜名湖鉄道あるいは新たに設立する第3者機関が、直接関係する公共団体の支援等を受けて、乗り入れ基盤の整備を行い、遠州鉄道が自社の経営責任に基づき乗り入れを実行する。

現時点においては、このケース3が最も現実的な提案であると考える。そこで、この方式で乗り入れをした場合、当事者と想定される天竜市、遠川鉄道、天竜浜名湖鉄道、新たに設立する第3者機関のそれぞれの立場でのメリットとデメリットをあげると次表のとおりである。

なお、新たに設立する第3者機関については、法人としての性格や設立に参画する団体など、その基本的部分が、事業の進展に応じて決まっていく面があるために、現在の時点では最小限の評価に止めた。

 

 

 

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