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2. 計画実現に向けての懸案事項

前節でも触れたように、遠州鉄道の天竜浜名湖鉄道への乗り入れに関して、技術的には大きな問題はないと考えられる。したがって、乗り入れのための環境をいかに形成するかが今後問題となる。

本調査では、ヒアリング調査等を通じて、関係者を中心とした状況把握を行ってきたが、今後検討すべき項目等について整理すると、以下のようになる。

 

1] 遠州鉄道サイドの課題

・民間事業者の立場として、採算性が明確にならないと事業として推進することが、困難である点がまずあげられる。特に問題となる点は、コスト面であり、具体的には以下があげられる。

・イニシャルコスト(乗り入れのための初期投資)

・乗り入れ工事

・ランニングコスト(電車運行のための固定費用)

・鉄道・バスをあわせた運行の効率化を図るために、現在のバスルートの再編成を同時に検討する必要がある。

・現在のバスサービスの水準を維持するために、西鹿島−二俣本町間における鉄道新駅設置の必要性を検討する。

 

2] 天竜浜名湖鉄道サイドの課題

・天竜浜名湖鉄道自体の経営環境が厳しく、乗り入れ問題以前に経営改善に関わる問題を解決することが求められている。

・現状では、乗り入れに必要とされる投資に対して、どの程度主体となることが可能か明確にできない状況である。

・天竜浜名湖鉄道としてのメリットが明確化されないと、積極的な事業展開ができない。

 

3] 両鉄道会社の連携に関わる課題

・設備投資にあたっての役割分担の明確化を図る。

 

 

 

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