日本財団 図書館


このように、成長力の高い東京と同じ発想の街づくりを行う形で、「拡大型都市計画による分散型の都市構造づくり」を進めてしまったことが、中心部の人口減少を招き、また、中心市街地への人出を低下させ、活力低下の一因となった(この点については、ヒアリングでは、「都市の中心市街地は城下町の時代から積み上げてきた資産であり礎石であるが、近代の都市政策はこれを軽石にした」と表現している)。このような都市政策の結果の影響は大きく、とても商業者の努力では追いつかないと考えている。

津市ではこのような複層的な影響を受けることによって、小売業の従業者、年間販売額は平成9年には1万1,000人、2兆3,000億円であり、この6年間でそれぞれ3.2%増、-6.5%と減少するなど(県平均は12.7%、4.3%の伸び)、中心性を失ってきている。

このような状況に対して、地元商店街主導でわが国初のプリペイドカードの実施、コミュニティーマートへの取組、などの活性化の取組を行っている。そして、現在では将来の街づくりにつながる取組として、平成10年11月には津藩の藩主であった藤堂高虎にゆかりのある愛媛県の今治市、宇和島市、大洲市などの城下町に呼びかけ今後の中心市街地活性化問題を話し合う「全国城下町商店街まちづくりサミット」と「全国高虎城下町まちづくりサミット」を開催している。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION