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しかし、それは「全地球平均」での議論であり、ミクロには変動の振幅が大きく振れて、異常気象や海面上昇、生態系破壊などの副次的影響が甚大になりかねないという懸念があることもまた確かである。

また、地球の気温上昇は、地球表面で均一ではない。今日言われているのは、温帯での気温上昇は少なく、緯度が高くなって極地に近づくほどその変化が大きいということである。従って、全地球平均で2度の気温上昇というのは、わが国ではそれよりも軽微であり、両極地方ではその数倍の上昇もあり得る(平均気温が氷点下の極地でも氷の一部が解ける可能性がある)ということである。

一方、全地球での温暖化は、現象面では各地の地域的な気候変動の先鋭化(台風の大型化やエルニーニョ現象の長期化、極地的な干ばつや豪雨など)となって現れるという説もあり、「温暖化の影響」をどこまで含めるのかは難しい面もある。

また、数十万年単位で見た場合、現在の地球は氷河期(全地球平均気温で6度程度低いとされる)と氷河期の間の間氷期にあり、超長期的には寒冷化するとも言われている(国立極地研究所)。しかし、「数万年で6度」の変動に比べ「わずか100年で2度」の変動はかなり急激なものであり、温暖化は、人類がいまだかつて経験したことのない急激な平均気温変動であるともいる。
なお、長期的には、温暖化の原因となる化石燃料が枯渇するため、今日のような二酸化炭素排出量の増加は、せいぜいあと100年以内での話であるとする説もある。

人類起源の二酸化炭素等による温暖化の脅威は、化石燃料の究極的な可採埋蔵量と消費のスピードから見て、およそ200〜300年が勝負と見られている。その後は二酸化炭素は徐々に海洋に吸収されて濃度は安定すると考えられている。ただ、今後数百年間の変化の程度が、その後に取り返しのつかない悪影響を及ぼす懸念もあるため、「確実ではなくとも疑わしいことには対処しておく」という「原則」が採用されている。

 

 

 

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