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第一の二酸化炭素については、ほとんど「人類による化石燃料と石灰岩の消費」と置き換えることもできるが、化石燃料の燃焼等によって発生した二酸化炭素の全量が大気中に蓄積されるわけではない。地球表面積の過半を占める海洋による二酸化炭素の吸収など、他の様々なメカニズムとの相互作用の結果として徐々に大気中濃度が上がっているということである。関連する様々なメカニズムとしては、例えば「気温の上昇に伴って海洋の二酸化炭素吸収量も増加し、水温上昇はサンゴの生育を促進するので大気中の二酸化炭素を削減する方向に作用する」、あるいは「水温の上昇があれば蒸散量が増え、大気中の雲量の増加と降雪量の増加がアルベド(太陽光の反射能)を増大させて温室効果の削減方向に作用する」などがあげられている。

逆に、こうした負のフィードバックがかからなければ、人類のこれまでの化石燃料等の消費によって、もっとずっと早い速度で温暖化が進んでいたはずだとされる。今日の最新の温暖化予測モデルには、こうした負のフィードバックのメカニズムが次々と解明されて新たに組み込まれており、その結果、国際会議を開く度に温暖化の予測数値は低め低めに修正されるという経過をたどっている。
第二の森林面積の減少は、結果として第一の二酸化炭素の増加を促進するものである。

なお、一般的な仮説として、以下の知見が広く知られている。

「太古の地球の大気は火星と同じような成分で、二酸化炭素が非常に多く酸素はほととんど存在せず、気温も高かった。海洋の出現に続き、生物進化の過程で二酸化炭素を光合成する生物が出現し、大気中の二酸化炭素をその体に大量に固定した。海洋中ではサンゴ虫等が炭酸カルシウムとして固定し、それが堆積して今日の石灰岩となる。その他の微生物の死骸は堆積後地殻変動で変性して石油や天然ガスとなる。

 

 

 

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