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(1) 率先導入

 

地方自治体の役割として一番に期待されるのが率先導入である。実際、コージェネレーション、ガス冷房・地域冷暖房、天然ガス自動車について、地方自治体に導入された事例は多く、民間への普及・PRに大変寄与している。自治体の財政状況は厳しいものがあるが、今後も、環境問題への取り組みの一貫として率先導入を継続されることを期待する。

なお全国的にみれば、清掃工場、浄水場、下水処理場等におけるコージェネレーションのように、導入事例が非常に少ない分野もある。これらは地方自治体固有の事業であり、そこでの率先導入が民間に波及するものではないが、他の地方自治体への波及の観点から、特に影響力の大きな大都市における率先導入が期待される。

 

(2) 導入支援

 

我が国全体の地球温暖化対策の推進には、民間事業者の取り組みが不可欠である。地球環境問題に対する民間事業者の意識は確実に高くなっているが、近年の経済状況もあって投資意欲は旺盛とは言えない。地方自治体の財政状況も大変厳しいものがあるが、地球環境問題に対する民間事業者の投資意欲を早期に向上するには、国の支援に加えて地方自治体が経済的インセンティブを付与したり、地球環境問題への対応策のため公有地を有効活用すること等が期待される。

 

(3) 教育・啓発

 

民間事業者や人々に地球温暖化対策の推進を訴えることは、国だけでなく地方自治体の責務である。自らの率先導入の経験に基づく啓発の効果が高いのはもちろんであるが、地球温暖化についての基礎的知識や対策等を広くPRすることが期待される。

 

 

 

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