日本財団 図書館


2)旅客フェリーに係る規制緩和の方向

海上運送法を所管し、中・長距離フェリー事業の監督を行う運輸省では、これまでも、社会経済情勢の変化に応じるとともに、安全で、より安く、より快適にという利用者の声を十分に反映するため、内外の要望・意見を十分に踏まえつつ、運輸省の所管行政について数々の規制緩和を随時行ってきた。

旅客フェリー事業について、これまで行ってきた規制緩和の代表例を挙げれば、運賃・料金規制の弾力化がある。一定範囲内で行う営業割引や特別船室料金、座席指定料金等一部の料金の設定または変更について、認可制から届出制に緩和し(「許可、認可等の整理及び合理化に関する法律」による海上運送法の一部改正等により平成7年4月1日から施行。)、一定の効果を上げているところである。

しかしながら、それだけではまだ十分ではなく、我が国における交通運輸市場が成熟段階に達しつつあること、行政改革・経済構造改革が緊急の課題であること等に鑑みれば、自由競争の促進により、交通運輸の分野における経済活動の一層の効率化、活性化を図る必要がある。

そのため、運輸省は、平成8年12月、従来の運輸行政の大転換を行い、人流・物流の全事業分野において、原則として、目標期限を定めて需給調整規制を廃止することとした。いわゆる「運輸ビッグバン」である。

これを受けて、「規制緩和推進計画の再改定について」(平成9年3月28日 閣議決定)において、「国内旅客船事業に係る需給調整規制について、生活航路(注2)の維持方策等を確立した上で、遅くとも平成13年度までに廃止する」ことが明記され、また、需給調整規制廃止に向けて必要となる環境整備方策等については、平成10年6月11日、運輸政策審議会海上交通部会の答申が出された。その概要は表3-3のとおりである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION