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また在バンギー日本大使館の川合大使、飯沢参事官、黒沢医務官を始め大使館員の方々も我々の調査団が中央アフリカ共和国で行っている仕事が現地で高く評価されていることを周知しておられ、中央アフリカ共和国に対する医療援助の継続を強く希望しておられた。今回の調査に関しても川合大使のご配慮で入国時には日本大使館の実久派遣員が空港に出迎えて入国手続きをすべて行ってくれ、また昨年に斉藤医務官から交代された黒沢医務官も出発前からファックスを下さったり、ホテルの部屋が空くまで自宅を使用させて下さるなど大使を始め大使館員の方々に多くのお力添えを戴いた。

中央アフリカ共和国の政情はまだ完全に安定していないのであるが、首都のバンギー近郊はこれまでの状態と余り変わりはなく、中央アフリカ共和国政府としては特に保健省を中心に常に笹川記念保健協力財団に対する配慮がなされている。来年度は遅くとも大統領選挙が実施される前の7月から8月中旬までに調査団の派遣を行えば恐らくブアールにも出かけることが出来、ケラ・セルジャン村の検診も可能ではないかとの見解を保健省や情報省の人達から得ている。

毎年述べていることであるが、中央アフリカ共和国における笹川記念保健協力財団の医療協力計画が占める位置は大きく、その継続が強く望まれている。また先にも述べたごとく在中央アフリカ共和国の川合特命全権大使を始め飯沢参事官、黒沢医務官など現地日本大使館の館員の方々も医療面における本財団の援助および調査団の業績を評価され、大きな期待を寄せられている。

笹川記念保健協力財団で実施している本計画の評価は中央アフリカ共和国のみならず、フランスでも知られており、今回帰途にパリで面会したパスツール研究所昆虫部門のブレイ博士もわざわざ辻を訪ね、中央アフリカ共和国における媒介蚊対策についての意見を提供してくれた。

なお中央アフリカ共和国へのヨーロッパからの接続便はアフリカの情勢により毎日その時間が変わるので、調査に出かける折には1ないし2日の余裕をみることが必要である。今回の出張の折にも出発前日まで4回のフライトの変更があり、到着の時間も4時間遅れた。また今回は時間の制約があったために帰路に4回の乗継ぎを行ったが、カメルーンでは例え乗継ぎの場合でも一度パスポートコントロールを受けることが要求され、5時間以上空港内で待たされるなどその手続きが面倒であり、今後アフリカ内での乗継ぎは避けた方がよいと思われる。

今回は別送荷物を止めて薬品などをすべて携行荷物としたために、トランクに荷物を詰め込み過ぎて中央アフリカ共和国の空港に到着した折にはトランクが破損しており、中に入れてあったカメラも壊れていた。幸い薬品などの供与器材および生活用品などの盗難は無かったが、カメラが破損していたためにきれいな写真が撮れておらず、報告書にもちゃんとした記録写真が掲載出来なかったことをお詫びしたい。

 

 

 

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