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難聴者がいつでも利用できる赤外線補聴システムは、ワッハ上方、キッズプラザくらいしか有りません。その他、市民150人の出資でできた映画館のシネ・ヌーヴォーは20台の赤外線ヘッドホンを貸してくれます。座席が76のミニシアターですが、ボランティアの協力で独自に邦画に字幕を付けて上映したりしていて、私たちは重宝しています。

この数年の間に重度の中途失聴・難聴者で人工内耳を装用する人が増えてきたこともあり、各地の難聴者協会の会員の約半数は、磁気ループや赤外線補聴システムを活用できる人がいるものと思います。大阪の吉本興業では、平成9年12月に第1回の字幕寄席を開いて下さっており、聴覚障害者に字幕を使って笑いを提供していただいてます。この字幕は、パソコン要約筆記のメンバーが素早いキータッチで話を打ち込み、舞台の背景のスクリーンに大きな文字で出ます。それを見ながら、赤外線補聴システムで聞くと、聞き取れない話がスクリーンの文字で補完されるので、リアルタイムで楽しめるのがありがたいです。平成10年11月4日になんばグランド花月で第2回字幕寄席が開かれ、約600人程が楽しみました。

 

6. 補聴援助システムの設置先の把握と活用を

 

磁気ループは、かなりの台数が置かれてきました。新設されるホールなどには常設されているところもかなりあるようです。赤外線補聴システムと併せて、難聴者団体の把握するものだけでなく、他団体や行政手持ちなどの設置先リストを専門の業者から入手して、把握しておくことが大切です。全国的に見てどうなのか?他府県に比べて進んでいるのか、遅れているのか?。このような資料があれば、行政への要望の際の添付資料に使えますし、また、借用して有効活用できます。そして、劇場や映画館に、補聴システムが有れば難聴者が今以上に観客として訪れることを説明し、理解していただけたら、私たちの常設のお願いも検討していただけるのではないでしょうか。

 

 

 

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