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・自動車3台によるキャラバン隊を編成して地区内全域を巡回し、町村長へ安全呼びかけの決議文を手渡した。

イ 『生活安全条例』の制定

推進指導員、推進員、連絡員を中心としたこれらの自主活動は、各自治体に対し地域安全活動活性化の引き金となった。そこで、『生活安全条例』制定の必要性についても併せて働きかけを行った結果、12月までに1市3町村で制定が実現した。残る3町村においても、平成10年度中に制定の方針であり、モデル地区内全ての自治体に安全の礎が確立された。

(3)少年の健全育成及び環境浄化活動の推進

少年非行の低年齢化や犯罪意識の希薄化などがみられ、その対策として「団体組織活動の精神を育てる野球大会」「礼儀を重んじる剣道大会」「地域の学生と地域住民の“地域安全音楽の集い”」等を開催、とくに夜間における「地域での声かけ運動」を取り入れた。

また、少年補導協助員連絡協議会等関係機関と連携して、有害環境浄化活動を推進し、非行の温床である溜まり場の解消に努めた。

(4)身近な情報の伝達

「地域安全ニュース」を月平均約5回発行し、各連絡員を通じて地域住民に伝達し、口コミによる広がりを図った。ニュースには、生活に密着した素材を選択して、判りやすく伝えることに力を注いだ。

このことにより、指導員等に地域の実態を把握することができて、活動しやすい状況が生まれた。

(5)講話指導員の後押し

所轄三次警察署は、モデル地区指定に呼応して、生活安全講話担当指導員制度を発足、署員13人を指名した。講話指導員は、地域安全活動の広報・啓発を図る一方、推進員等の活動を側面から支えた。

 

5 モデル地区活動の効果

推進指導員、指導員及び連絡員は、地域における安全活動の中核であり拠点である。

モデル地区指定当初は、従来からの活動に温度差がみられ、活動が低調な地域では推進員や連絡員に戸惑いも散見された。しかしながら、連絡会議等で他の地域の活動状況に刺激され、あるいは身近な問題を捉えた「地域安全ニュース」などの情報提供によって、自らが地域に尽くして安全を支えることの大切さを認識し、積極姿勢に“転身”した。

加えて、平成10年度中に地区内全自治体が『生活安全条例』を制定する運びとなったことは、モデル地区指定の最大の効果である。

一方、活動への女性の参入や、活動の輪の展開などになお課題がある。要は、現在の体制や活動をいかに今後に繋ぎ定着させるかであるが、モデル地区指定が地域安全活動の基盤づくりの程となったことは確実である。

 

 

 

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