第3節 今後の課題
本調査委員会での論議を経て、ここにダイヤ案が示された。
この案に対する4村の意見にもみられるように、すべての村がこの案で歩み寄れるとは言いがたく、特に下甑村、上甑村では抜港の港を抱えており、「島全体の利益のため」という大儀だけでは律しきれないと主張している。
だからといって、ダイヤの見直しを先送りすることは、住民の利益につながるものとは言いがたく、賢明な判断ではない。また、ここに示された案については、関係者が2年間にわたって論議を行いながら到達した案であり、その意義は大きい。
今後の課題として、「どのような船形で造るのか」「高速フェリーも含めた料金体系をどのようにするのか」等が残されており、特に「採算性」については充分に検討をすることが必要である。
「船舶の大型化」、「便数の増加」、これらは間違い無くコストアップとなる。今後は、これをいかに合理化していくのか、あるいは利用客数の拡大をいかに図っていくのか、そして充分に採算ラインをクリアできるという見通しがたった案として構築していく努力が必要である。
さらに、寄港地集約化の方向で話が進んでいく場合、抜港と島内交通体系の整備(バス運行体系、道路整備等)とは表裏の関係にある。併せて島内交通体系整備の努力も行っていく必要がある。