日本財団 図書館


6. 考察

 

6.1 無線による先進的信号システムの詳細検討

 

システムの詳細検討により以下の成果が得られた。

1]速度制御パターンを作成するために必要な情報伝送において(実現可能な伝送周期と制御に必要な情報量の把握ができた。

2]隣接する制御ゾーンを列車が移動したときでも、連続的な列車制御が可能なシステム構築の可能性を得た。

3]制御ゾーンを越えた情報伝送の実現性の確認ができた。

4]立ち上げ時における列車制御の安全性を確保できる見通しがついた。

5]電源断および機器故障時の安全性評価を行い、実現可能となる見通しを得た。

6]伝送遅れ等を考慮した運転時隔の検討を行い、伝送周期との関係を明らかにした。

 

6.2 試作装置における性能試験

 

(1) トランスポンダ型列車検知装置

1]通信領域

地上インタロゲータ装置-車上レスポンダ装置間の通信領域の測定から、応動距離は離隔0.5mで最大1m、最大通信距離(離隔)は1.8mであった。速度100km/hとすると1フレーム30バイトで約7回受信が可能と推定される。

位置補正については通信領域から最悪でも±0.5mの範囲内で補正が可能と考える。

2]遮断特性

測定結果から、地上インタロゲータ装置と地上照査装置の離隔を4mとし、地上インタロゲータ装置と金属板の間隔を0.5mと3.5mの位置(車両限界位置を想定)で、金属板(高さ0.4m、幅0.6m)により、遮断の開始、解除の条件を満足することを確認した。使用した金属板の大きさは実際の車両に比較すると、非常に小さいものであるため、十分な列車による遮断が可能と考える。

3]耐雑音性

5.3項の雑音環境調査で収集されたトランスポンダアンテナへ誘起する雑音の最大値は、トランスポンダ型列車検知装置のフロントエンドのフィルタ特性、スペクトラム拡散による処理利得を考慮すると表6.2-1のようになる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION