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3.2.6 妨害

 

妨害によって伝文の内容が変化し、異常伝文となることが考えられ、この結果として、以下の3通りが考えられる。

1]異常伝文を、正常なものとして採用してしまう。

2]異常伝文は、伝文の診断によって除去され、受信なしと等価になる。

3]受信なし。

1]に関しては、伝送方式、および、伝文の誤り検出のために付加する巡回冗長符号(CRCコード)の診断の厳しさによって左右されるものであり、これらを向上させることで、2]の結果に改善することが十分期待できる。また、故意の妨害に対しては、情報の暗号化による対策が考えられる。

CRCコードによる誤り検出の主要な定理を表3.2.6-1に示す。また、表3.2.6-1には、HDLCプロトコルで採用されている16次のCRCコードを使用した場合の例を示す。

 

表3.2.6-1 CRCコードの主要定理

038-1.gif

 

2]、3]に関しては、装置故障によって通信ができない状態と等価に考えることができ、それぞれに対応した処理を行う。ただし、妨害の場合、複数の装置間で通信ができなくなることが考えられる。このとき、車上装置、地上装置において、それぞれ次のように対応する。

 

3.2.6.1 車上装置

 

妨害によって地上保安伝送装置からの受信が継続的に得られなくなった場合、当該列車を停止させる制御を行う。

 

3.2.6.2 地上装置

 

妨害によって、地上保安伝送装置間における情報の授受ができなくなり、情報の中継伝送機能が動作しなくなった場合、列車を停止させる制御を行う。

 

 

 

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