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測定は、CISPR16-1に定める準尖頭値測定用受信機を使用する。周波数範囲150kHz〜30MHz及び156MHz〜165MHzまでの受信帯域幅は9kHzとし、30MHz〜156MHz及び165MHz〜1GHzまでの受信帯域幅は120kHzとする。

150kHz〜30MHzまでの周波数に対しては、磁場Hの測定を行なうものとする。測定用アンテナは、一辺の長さ60cmの正方形で完全に囲うことができるよう、電気的スクリーン式ループアンテナとするか(CISPR16-1にある適当なフェライトロッドアンテナとする。アンテナの補正率は、磁界の強さを等価の電界に変換するため、同率に+51.5dBを加える。

30MHz以上の周波数については、電界Eを測定する。測定用アンテナは、共振の長い平衡ダイポールか、もしくは短縮ダイポールまたはCISPR16-1に記載されている高利得アンテナとする。EUTの方向にある測定用アンテナの寸法は、EUTからの距離の20%を超えてはならない。80MHz以上の周波数では、測定用アンテナの地上高を1〜4mの範囲内で可変するものする。テストサイトは、CISPR16-1によるものとし、金属製接地面でできており、3mの測定距離を取った寸法とする。

EUTは、それに付帯したケーブルと一体で、通常動作させる平面に据え付けられ、組み立てられるものとする。

試験用アンテナはEUTから3mの距離に置かれる。アンテナの中央は、少なくとも接地面から1.5mの高さにあるものとする。電界アンテナは、接地面に対して平行を保ち、高さ調節や、回転による水平、垂直偏波の切り換えを行い最大放射レベルを決定する。

最終的には、アンテナを再度、最大放射レベルを決めるためEUTの周囲を移動させるかそれに代わるものとして、EUTを試験用アンテナと直交する平面上で、その中間点に置き、同じ結果が得られるように回転させることもできる。

 

9.1.3 複合環境における影響の調査

 

船舶には多数の電気、電子機器が搭載されているが、特に船橋には航海計器等の電気、電子機器が設置されている。船橋に、これらの機器が集中近接して取り付けられる場合、相互に影響を及ぼすことが想定されるが、多数の船舶構造、電気、電子機器の種類、設置方法及び取り付け状態等をシミュレートすることは困難であるため、参考例として、供試機器を誤作動対策前後の状態において同一環境(電波暗室内)に設置して、相互の影響を調べることとする。

また、航海船橋内で使用されている携帯型の電気、電子機器(例:パソコン等)による影響も併せて調べるため、電波暗室内においての各機器の電磁放射レベル(エミッション)を測定し、イミュニティ試験における厳しさの試験レベルと比較して評価することとする。

 

 

 

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