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-3. 木船やFRP船のマストなど落雷を誘導する構造物には、避雷用導体(75mm2 以上の錫めっき軟銅線又は平角銅線)を使用して、接地銅板(一般用又は無線用接地銅板の近い方)へ鋭角に曲げないようできるだけ直線的に接続する。接続には、はんだを使用してはならない。なお、マスト頂部から接地板までの抵抗は 0.02 Ω以下とする。

 

6-7 船体電流対策

金属表面における物理的、化学的な状態に差異が生じると、電解質である海水の介在により電池が構成され、電池作用により局部電流が発生して陽極部が溶解し、船体の腐食が起こる。(<図 6-7-1>参照)

防食対策の基本は船体電流による腐食を防止又は進行を遅らせることである。具体的には海水中を電位の低い(マイナスの方に大きい)陽極から電位の高い陰極に電流が流れている間、陽極の腐食は進行するので陰極の電位を何らかの方法で陽極の電位と同じにする(陰極の電位を陽極まで下げる)と腐食の進行は停止する。

その方法として、1]流電陽極式防食と2]外部電源式防食とがある。前者は、亜鉛、マグネシウム、アルミニウムなどの低電位金属を船体に貼り付けて防食電流を発生させる方法(低電位金属自らが消耗する。)で、後者は、船体外板に設けた電極と船体間に直流電流を流し、船体の電位を常に防食電位に保つ方法である。ここでは、電気艤装に関係する外部電源式防食の概要について述べる。

 

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<図 6-7-1>電池作用による腐食

 

 

 

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