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デジタル選択呼出しに使用されるデジタル符号は、誤り検出符号を含む10単位の同期符号である。この10単位のうちはじめの7ビットが情報ビットで、表2・2に示すようにBが2進数の0、Yが1で、10進数の00から127までが規定されている。8ビット目から後の3ビットは誤り検出符号で、情報ビットの中のBの数を2進数で示している。例えば、シンボル番号15にはBの数は7ビット目までに3つあるが、これを011、すなわち10進法で3を表している。これに対して情報ビットの方は逆に下の桁ほど先に送信され、シンボル番号の内の00から99までがそのまま変換される2桁の10進数を表し、100から127までは、後述するように使用目的別に特別の符号として使用される。これにより、10進10桁の数字は上位から二桁ずつの5個のシンボルで表現される。呼出信号列は、時間ダイバーシティ、すなわち、同期信号を除いて、各信号は時間を置いて2回ずつ送信する。その順序は、ある送信文字は他の4文字の後で再送信する形になっており、MF/HFとVHFとでは後述するように送信速度などが異なるので、MF/HFでは400ms間隔で、VHFでは33-1/3ms間隔で同じ文字が受信されることになる。

遭難呼出しなどの呼出しのときの信号の構成は、図2・7と表2・3及び表2・4に示す通りで、最初のドットパターンでは受信の同期をとり、次の信号の位置を正しく定めるための0と1の繰返し信号で、MF/HFでは2秒間、VHFでは1秒間続く。次の位相同期のための同期シーケンスは、DX(第一送信)とRX(再送信)の交互信号からなり、DXは「125」の文字の送信で6回送信される。RX信号はその位置で次の情報シーケンスの開始位置を特定するために、その8回の送信の文字を「111」、「110」、「109」、「108」、「107」、「106」、「105」、「104」と順次変えて送信する。この後の情報シーケンスは、前述した図2・7に示すように4文字おいた繰返し送信となる。フォーマット信号(A)には、遭難呼出し(112)、全船呼出し(116)、海域呼出し(102)、船団呼出し(114)、個別呼出し(120)の5種がある。例えば、呼出し先のアドレス(B)、カテゴリー信号(C)が入るなど、この呼出しの種類によって、この後のシーケンスが若干異なる。このフォーマット信号は2回繰返し(4文字後を含めれば4回)送信される。遭難呼出し以外に入る(通信の)カテゴリー信号には、遭難(112)、緊急(110)、安全(108)、船舶業務優先(106)、通常業務(100)があり、その通信の優先度を指している。その後は、自局の識別符号(D)5文字で、これで10桁の数字で表す。遭難呼出しの場合の情報は、遭難の種類、遭難位置、時刻及び引き続く送信の形式で、その他の呼出しでは、送信電波の型式や種類及び送信のチャンネル又は周波数の指定(DSCのあとの通信は別のチャンネル又は、周波数が使用される。)がなされる。

 

 

 

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