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第2章 半導体ダイオードとトランジスタ

 

2・1 半導体

ダイオードやトランジスタは、半導体と呼ばれるゲルマニウムGeやシリコンSiなどからできている。これらの特性を理解するためには、まず半導体の性質を理解する必要がある。

 

2・1・1 半導体の定義

種々の物質のうち、電気をよく伝える金属は導体と呼ばれ、電気を伝えにくいガラスや紙などは絶縁物、あるいは絶縁体と呼ばれている。図2・1に種々の材料の固有抵抗の値を示す。半導体とは導体と絶縁物の中間の固有抵抗値を持つもので、次のような性質を持っている物質を指す。

純粋なものは金属と比べて電気を通しにくいが、微量の不純物を入れると電気を通しやすくなる。

また、温度が上がると抵抗値が減るという現象がある。(金属は温度が上がると抵抗値が増す。)

図2・1中の物質のなかでゲルマニウム、シリコン、セレンが上の条件を満たし、ダイオードやトランジスタの材料として用いられる。方鉛鉱黄鉄鉱はゲルマニウムダイオード出現以前には鉱石検波器として広く使用された。

 

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図2・1 各種材料の固有抵抗

 

2・1・2 物質の構造

物質を細かく分けてゆくと、その物質の性質を示す最小のもの、すなわち分子になる。この分子を更に細かく見ると、原子の集まったものであることがわかる。

 

 

 

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