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(d) CPAを1海里又はこれに近い値及びTCPAを15分以上のできる限り大きな値に設定し、接近して警報を発した物標のCPA値が、設定値の±10%以内であることを確認すること。

注:(c)及び(d)項の確認は、本船が航海中か、若しくは海岸から1海里以上沖に停泊中でないと困難である。

接岸中や海岸、防波堤、桟橋などから1海里以内に停泊しているかどうかは、CPAを1海里に設定すると直ちに警報を発することで確認できる。

(e) 連動する航海用レーダー、ジャイロコンパス又は船速距離計からの信号が停止したときに可視可聴の警報を発することを確認すること。

イ.表示器の入力ケーブルを外すなどして確認する。

ロ.確認後は、各ケーブルを間違いなく確実に元どおりに接続する。

(f) 前項(a)、(b)、(c)及び(d)の警報を一時的に停止したときでも他の警報の発生が妨げられないことを確認すること。

(6) その他の機能

(a) 連動する航海用レーダー、ジャイロコンパス又は船速距離計からの信号が伝達されていることが表示されていることを確認すること。

(b) 模擬操船の機能が適正であり、かつ、模擬操船中であることが明確に表示されること及び模擬操船中であっても物標の捕捉及び追尾が中断されないこと並びに随時表示が中止できることを確認すること。

確認に当たっては、操作説明書の指示に従うこと。

(c) 自動機能試験装置の試験プログラムなどによる機能試験及びシステムの故障に対する警報などの試験を行い、異常がないことを確認すること。

イ.まず、操作説明書などによって事前に十分そのシナリオなどを理解する。

ロ.そのすべての試験項目について試験を行い、異常がないことを確認する。

ハ.自動的に点検ができ、かつ、点検中の表示があることを確認する。

(d) その他の付加装置について、機能に異常がないことを確認すること。

イ.機種によって各種のオプションが用意されているが、事前にこれらに関する操作説明書によって、内容をよく理解してから試験を行うようにする。

ロ.付加装置の動作と本体の機能との関連を試験すると同時に、この付加装置によって本体の機能が損なわれることがないことも、併せて確認する。

 

4・10・2 自動衝突予防援助装置の表示の例

図4・8は自動衝突予防援助装置(ARPA)表示の実例である。

 

4・10・3 整備記録の作成等

装備者又は整備者は、自動衝突予防援助装置(ARPA)点検整備記録表/レーダー設備試験成績表(2)(様式R-2)(「GMDSS設備等整備記録総括表(様式GM-1)」を含む。) を作成し、管海官庁及び船舶所有者に各1部送付するとともに、1部を事業場に保管する。

なお、平成8年11月19日運輸省令第59号による設備規程の改正前の規定による自動衝突予防援助装置にあっては、昭和60年6月19日付け海検第56号による「自動衝突予防援助装置(ARPA)点検整備記録表/レーダー設備試験成績表(2)(様式R-2)」の旧様式を使用してもよい。

 

 

 

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