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電動機の位置の調整は取付ボルトを緩め、電動機を左右に動かして行う。調整後は、取付ボルトを確実に締め付けること。

 

4・4 導波管と同軸管(RF同軸ケーブル)の点検整備

導波管は送信部から空中線にマイクロ波を送り出し、また物標からの反射波を空中線で受けて、それを受信部へ伝送する部分であり、レーダーの性能に直接影響する極めて重要な部分である。

4・4・1 新設時の点検整備要領

新設時には4・4・2項の定期点検の内容のほかに、以下の項目についても点検整備をすること。

点検項目の中には装備時の設計によって決まってしまうものもあるので、点検の際次のような不都合の認められた場合には船主や造船所に報告し、協議のうえ対策を講ずること。

(1) 導波管や同軸管の布設径路が不適当である。(径路長が長過ぎる。)

(2) 布設径路が不適当なため、曲り導波管やねじれ導波管の使用数が多過ぎる。

Xバンド(9GHz)の場合の損失は、直線導波管1mあたり約0.1dB、ベンド1個あたり0.15dB、ツイスト1個あたり0.3dB、フレキシブル1メートルあたり約0.1dBとなる。

(3) 天井裏に布設されているのに、天井板は固定されていて取り外せない。

(4) 空中線部への接続部分やレーダーマストの基部における布設方法が不適当なため、機械的振動などによって無理が掛かっている。

(5) 甲板上に布設されている部分に、破損防止用の保護覆等が施されていない。

(6) 導波管の継ぎ目部分のガスケット(以下Oリングという。)が確実に取り付けられていない。また、空中線側と送受信機側のそれぞれのフランジにテフロンシートが取り付けられていない。

(7) 導波管の接続面が、チョークフランジとフラットフランジの組合せになっていない。

(8) 導波管や同軸管自体及びそれらの貫通金具や指示金具等にさび止めのペイントが塗布されていない。

これらの部分に使用する締付けねじにステンレス製のねじが使用されていない。

 

 

 

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