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この地表波の強度は地表から離れるに従って急速に減衰する一方で、空間に放射された電波は、大地の湾曲に沿って回折し、この回折波は受信空中線が高いほど、大地の回折損が少なく、その強度が強い。こうして球面大地での見通し距離外のところでの大地付近の受信点での電界は、地表波と回折波の合成から成り、地上からある高さまではその電界強度は大きな変化はない。受信空中線が高くなると、地表波は減衰して、回折波が強くなり、高さが更に高くなると見通し距離の伝搬となる。

このように、大地があるときの大地付近での電波の伝搬は、大地によって影響を受けるので、その伝搬特性は大地の電気的な性質、特にその導電率及び電波の周波数と偏波面によって異なり、また、大地の凹凸の影響も受ける。図9・7 は、送受信空中線が地表面にあり、海上における送信電力が1kWのときの電界強度の距離特性を示している。破線は、大地を完全導体の平面としたときの理論的な電界強度Eであって:

 

218-1.gif

 

ここで、Ptは送信電力〔kW〕、dは送信局からの距離〔km〕である。

同図から、明らかなように、中波〔MF〕の地表波の伝搬は超長波(VLF)や長波(LF)についで、長距離まで達し、安定な伝搬はこの地上波のみで、かつ、 電離層からの干渉がない海域であるので、GMDSSでのA2水域は、この伝搬特性によって決定されている。

 

 

 

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