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7・5 固体表示器

最近の民生用電子機器及びゲーム用機器の発達に従ってディスプレー(表示器)の面では著しい技術革新がもたらされてきた。

特に、真空のガラス管をつかうCRT 方式から金属、半導体などの固形材料に電気を印加して種々の映像を表現する方式が開発され、実用化が図られてきた。

 

7・5・1 LCD

(1) 概要

Liquid Crystal Device 又は、Liquid Crystal Displayの略称で、液晶素子及び液晶ディスプレイ(表示装置)のことである。液晶素子とは液晶の分子配列を電界等で、初期状態と異なる別の配列に変化させ、配列変化によって生じる液晶の光学的性質の変化を利用して、入射光を散乱させたり、干渉させたりして変調する素子であり、この素子による表示装置を液晶ディスプレイという。大型表示やカラー表示も可能である。近年、パソコン、ワープロに頻繁に利用され、安価な製品が出回り始めてきたため、レーダー、魚群探知機並びに無線装置等でも表示装置としても使われている。

液晶は分子の配列の具合によってネマティック液晶とスメクティック液晶及びコレステリック液晶の3つに大別でき、主にネマティック液晶が使用されている。2枚のガラス板の間のネマティック液晶が90度ねじれる(Twist)ようにした構造の液晶をツイスト・ネマティック液晶、略してTN液晶と呼んでいる。

液晶の駆動方式には単純マトリックス方式とアクティブマトリックス方式がある。TN液晶を単純マトリックス駆動回路と組み合わせた場合、コントラストが低い等の弱点がある。そこで液晶のねじれ角度を 180度から 270度と大きくし、表示特性を改善したSTN(Super Twist Nematic)液晶が考察された。さらに画素数の多い画面に対応するためSTN液晶ディスプレイの画面を上下2つの領域に分けて別々に駆動するDSTN(Dualscan STN)液晶も実用化されている。STN液晶は構造が単純で低コストである点が優れているが、コントラストが低く応答時間が長い。また表示状態が隣の画素に干渉する(クロストーク)問題や表示むらが発生しやすい弱点がある。

 

 

 

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