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6・5 メモリIC

メモリ、すなわち記憶回路にはいろいろな種類がある。代表的なアナログ型のメモリは磁気テープやレコーダであるが、ここでは電子計算機や卓上計算機などに使用されているディジタルメモリを取り上げる。(GMDSSが採用されるようになって通信分野にもディジダル通信が発達し、ディジタルメモリはなくてはならないものになってきている。)

ディジタルメモリにもいろいろな種類があり、磁性体の磁化現象を利用したコアメモリ、ワイヤメモリ、磁気テープ、磁気ディスク、信号の伝搬遅延を利用した遅延線メモリなどがその例で、従来から多く利用されている。

半導体メモリは、半導体素子のスイッチング回路を利用したものであるが、更に、このような素子回路を高密度に集積できるようになるに伴って、小型で安価な大容量メモリが次第に実用化されるようになってきた。これがメモリICである。なお、メモリには、メモリセルを構成する素子によって、バイポーラメモリとMOSとにメモリに分類することができる。更に、その機能によって、次の表6・6 のように分類することができる。

 

表6・6 icメモリの分類表

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一つのICの中の任意の場所(番地)を選び出して、それにデータを記憶させ、また、それからデータを読み出すことをアクセス(access)というが、任意の番地にアクセスできるメモリを、RAM(Random Access Memory)といい、これは、読み書きの両方ができるメモリのことである。RAMはメモリセルの構造によって、スタティックRAMとダイナミックRAMに分類することができ、スタティックRAM、はフリップ・フロップ方式のメモリセルを持ったもので一般的に電源を切らない限りメモリの内容を保存することができ、1ビット当たりの消費電力が大きく、動作速度が遅い。

 

 

 

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