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5・2・2 発振回路の例

(1) LC発振回路

図5・16にコレクタ同調形発振回路の一例を示す。点線で囲まれた部分はエミッタ接地形増幅回路になっている。R1,R2,R3はバイアス抵抗で、負荷はLPとC1からなるLC共振回路である。これの共振周波数に対して増幅率は最大となり、その周波数が発振周波数となる。

この増幅回路の出力信号は入力信号に対して逆位相になっているので、出力の一部を結合トランスで逆位相にして取り出し、入力信号と同位相にして入力に戻している。つまりこのトランスが図5・15の帰還回路の働きをしている。また、LPとC1を可変すことにより、発振周波数を可決とすることもきできる。このほかのLCの発振回路としてはハートレ発振回路、コルピッツ発振回路などが使われている。

 

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図5・16 コレクタ同調形

 

(2) 水晶発振回路

図5・17に水晶発振回路の一例を示す。同回路の交流等価回路は図5・18のようなり、発振原理はLC発振回路のそれと等価である。水晶振動子Xtal は非常にせまい範囲の周波数で誘導性となり、発振周波数に対して等価的に図5・18のL2で表される。

 

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図5・17 水晶発振回路

 

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図5・18 水晶発振回路の交流等価回路

 

その周波数に対して図5・17のLT,CTの共振回路が誘導性になるとき、すなわち等価的に図5・18のL1で表されるとき、発振条件を満たし、発振回路となる。水晶振動子が誘導性となる周波数範囲は極めて狭く、その範囲内のみで発振条件を満たすよう回路を構成すると、周波数の安定な発振回路となる。

 

 

 

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