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(2) 負荷漸変試験

(a) 試験方法

発電機が2台以上あって並行運転を行う計画になっている場合にはこの試験を実施する。

発電機は各2台づつ並行運転を行い各発電機に定格負荷の75%負荷をかけた状態で、電圧、周波数を定格値に、かつ負荷率を定格出力比になるように調整した後、総合負荷を〔75%→100%→75%→50%→20%→50%→75%→100%〕と順次変化させ、各総合負荷における両機の負荷分担状態及び安定度を計測し、負荷分担の不平衡値が規定値以内にあることを確認する。計測は電圧、電流、出力、周波数(回転速度)を測定する。

(b) 試験結果

船舶設備規程の規定値は交流機及び直流機共に各発電機の比例分担すべき負荷の変動がその発電機の定格負荷(KW)の±15%未満としている。なお、NK規則の場合は各機の定格出力による比例配分の負荷と各機の出力の差がそれぞれ最大機の定格出力(KW)の±10%以内(直流機),15%以内(交流機)としている。

 

(注) この試験は、自動負荷分担装置が装備されている場合は外して行うこと。

(解説) 交流発電機の並行運転について

並行運転をしている交流発電機の負荷分担の調整は、原動機の速度を調整することにより行われる。

すなわち、ガバナースイッチにより負荷を増加させようとする発電機の原動機速度を増加するように調整するか、又は負担を軽くしようとする発電機の原動機速度を減ずるように調整する。

これは手動による負荷分担の調整であるが、並行運転にある発電機の負荷が変動したときの各発電機の負荷分担は原動機の速度特性によって定まる。

 

図3・2 原動機の速度特性曲線が一致した場合の負荷分担

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(注) 両機の原動機の速度特性が上のように完全に一致していれば負荷〔%〕がobからodに変化しても両機の速度〔%〕が同一であるから両機ともod〔%〕の負荷を分担し、負荷分担の変動は零となる。

1] 両原動機の速度特性が一致している場合

百分率負荷を横軸、百分率速度を縦軸とした両機の原動機の速度特性が図3・2のように完全に一致していれば、いかなる場合でも両機の定格負荷に比例した負荷〔%〕を分担する。

2] 両原動機の速度特性が一致していない場合

図3・3において曲線A及びBを並行運転にある各発電機用原動機の速度特性曲線とする。これは両原動機の速度特性曲線が一致していない例である。

 

 

 

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