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(6) 一つの試験項目が終わったら必ず記録を整理し、予想値と比較確認する。

(7) 試験は、一般に電気技術者が行うが、電気的性能にばかり気をとらわれることなく、機械的点検、特に振動・軸受温度、油量・水量などの監視に注意する。

(8) 仕様に合致しない事項、品質保証上不適確な事項は早期に発見して、迅速な対策を関連部署と協議し、再発防止の手段をとる。

(9) 試験回路及び使用機器等を記入した回路接続図を書いて、この図によって接続するようにする。

(10) 配線は、原則として、主回路を先に行い、ついで分岐回路を接続するほうがよい。

(11) 一般にそれぞれの規則・規格などに試験状態の指定がない場合には、試験は標準試験状態で行われる。

(12) 標準試験状態はJISZ8703(試験場所の標準状態)により、標準温度は20℃、標準湿度は65%とするが、試験結果に疑義がないときは、温度は5〜35℃、湿度は45〜85%の範囲内において試験して差し支えない。

(13) 規定された試験状態に対する許容差は、とくに各規格に規定されていなければ、次によってよい。

(a) 温度±5℃

(b)湿度±5%

(c) 圧力±5%

 

2・1・4 安全上の注意

試験を行うに際しては、安全について細心周到な注意を払うとともに、十分な安全対策を施し、とくに電気災害は重大な災害につながる傾向にあることを十分に認識しておくべきである。

次に安全対策のいくつかについて述べる。

(1) 試験を行う組の責任者、担当者を明らかにして、関係部署との連絡を常に緊密にできるようにする。

(2) 責任者は試験員に作業内容・方法・順序・分担・日程・安全注意事項などをよく理解させ、毎日の作業・試験項目が常にわかるようにする。

(3) 安全標識を必要箇所に掲げる。一般には標識の種類と設置例はJISZ9104(安全標識)を参照すること。

(4) 通電している機器、特に変圧器のような静止機器には通電中の標示として赤電球の点滅をさせるとよい。このことは耐電圧試験中においては、とくに必要である。

(5) 電気機器の周囲には、安全さくやロープなどを設け、試験作業区画を明らかにしておく。

(6) 非常の事態に備え、消火器・消火砂・消火栓・出入口・配電盤・担架などの置いてある場所、緊急連絡先を全員が確認しておく。

(7) 作業を行う場合には、原則として、安全帽を着用し、腰手ぬぐいやネクタイは回転体に巻きこまれるおそれがあるので着用してはならない。また裸体に近い状態で作業することは避けること。

 

 

 

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