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2.5 ケーブル及びコード

 

2.5.1 ケーブル及びコードの仕様

 

ケーブル及びコードはJIS C 3410(船用電線)のものを使うこと。

一般にケーブルはEPゴム絶縁ビニルシースあじろがい装ケーブルを使うが、EPゴム絶縁の場合の導体許容温度は85℃であり許容される周囲温度はNK規則では75℃である。従って周囲温度が75℃を超える場所に布設するケーブルはけい素ゴム絶縁としなければならない。

けい素ゴム絶縁ケーブルには、けい素ゴム絶縁ガラス編組ケーブルとけい素ゴム絶縁鉛被あじろがい装ケーブルの2種類があるが単に耐熱特性が要求される場合にはガラス編組ケーブルが使用され、耐熱特性とともに耐誘導ノイズ特性が要求される場合には鉛被あじろがい装ケーブルが使用される。

シースには、ビニルシース及び鉛シースの他にクロロプレンシースがあるが、クロロプレンはビニルに比べて一般に耐低温特性が優れているので、寒冷地に配船される船や冷凍倉内に敷設されるケーブルのシースにはクロロプレンが用いられることが多い。

なお、クロロプレンを上まわる耐低温特性が要求される場合には、鉛シースケーブルが用いられる。

居住区内などで外傷を受けるおそれのない場所に布設されるケーブルは、がい装なしケーブルを使用してもよい。

暴露甲板、貨物倉などに布設するケーブルは、一般に防食層付ケーブルが用いられる。

誘導ノイズを発生する回路及び誘導ノイズの影響を受け易い回路に使われるケーブルは、シールド付とし、機器メーカーの意見も充分考慮した上で誘導ノイズの影響の大きい回路には各心シールドケーブルを使わなければならない。

また、船内通信装置などの回路で誘導ノイズの影響を受け易い回路には一般に電話用ケーブルが使用される。手提灯、投光器などの移動用機器及び半移動用機器にはEPゴム絶縁クロロプレンキャブタイヤコードを使用し、卓上灯などの移動用小形機器にはビニル絶縁ビニルシースコードを一般に使用する。

また盤内配線用として船用配電盤用単心可撓難燃架橋ポリエチレン電線(SCP)が使用されるが制御用としては船用制御器配線用ビニル絶縁電線(SYP)も使われている。

またJISC3410にはないが必要に応じて同軸ケーブル、補償導線などの特殊なケーブルが使用されている。

また、1981年の改正SOLASでは、火災に対する考慮として、ケーブルはケーブル本来が有する難燃性を損なわないように敷設しなければならないという新しい規定が追加された。船舶設備規程でも外洋航行船に対し、これと同じ規定を盛り込んで改正されたが、ケーブル本来が有する難燃性が損なわれることがないように布設する具体的方法を次のように規定している。

 

 

 

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