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(b)配線用ケーブル

船舶用としては、船用電線規格(JISC3410船用電線)がある。これには絶縁体の種類にはEPゴム(エチレンプロピレンゴム)、けい素ゴム、ビニルなどがある。これらの被覆方法及び材料によってケーブル、コード及び絶縁電線の種類がある。詳細については上記規格を参照のこと。

また、特殊の配線用として高周波ケーブル及びコード、同軸ケーブル及びコード、熱電対用補償電線等がある。

 

(3) 抵抗材料

(a) 銅マンガン合金(マンガニン)

銅83〜86〔%〕、マンガン10〜13〔%〕,

ニッケル1〜4〔%〕からなる合金である。体積抵抗率は41〜47〔μΩcm〕,常温付近の抵抗の温度係数は1×10-5〔℃につき〕程度で、非常に小さいため、計器類の抵抗類に多く使用されている。

(b) 銅ニッケル合金(コンスタンタン)

銅55〔%〕、ニッケル42〜48〔%〕からなる合金で、体積抵抗率46.0〜52.0〔μΩcm〕、抵抗の温度係数1.5×10-5〔℃について〕である。耐熱性、耐食性に富んでいるので、銅あるいは鉄と組合わせて熱電対の補償電線として船舶には使用されている。

(c) ニッケルクロム合金(ニクロム)

ニッケルとクロムを主成分とした合金で、体積抵抗率が大きく、耐食性、耐熱性があり、高温でも酸化されにくく引張強さも大きいので電熱線として用いられる。詳細はJISC2520-86電熱用合金線及び帯の規格参照のこと。

(d) アルメル

ニッケルにマンガン2.5〔%〕、鉄0.5〔%〕を加えた合金である。体積抵抗率33〔μΩcm〕、抵抗の温度係数は1.2×10-3〔℃につき〕である。これは上記(c)の一種であるクロメルと組み合わせる熱電対の材料としている。これは 600〜1200〔℃〕の温度測定に用いられる。

(e) その他

鉄炭素合金、鉄ニッケル合金、鉄クロム、炭素抵抗器、カーボンパイル、液体抵抗材料等がある。

 

(4) 特殊導電材料

(a) 接点材料

電気回路の頻繁な開閉が行われる接触点の材料は、非常に難しい問題がある。接触抵抗小さく、消耗は少なく、アークが早く消え、かつ、長期間にわたって十分機能を果さねばならない等の条件を備えねばならない。現在では、1]銀系接点材料として銀90〔%〕、金10〔%〕の合金(GS合金又はCP3の合金)等、2]金系接点材料として金69〔%〕、銀25〔%〕、プロトアクチニウム6〔%〕の合金(CPI)等、3]白金系接点材料としては純白金等、4]タングステン系接点材料としてはタングステン、タングステンと銀の合金、タングステンと銅の合金及び炭化タングステンと銀との焼結合金等、5]炭素系接点材料として炭素、炭素と銀との焼結合金等、以上述べたようにいろいろあるが用途、使用頻度に応じて適当に選ぶ必要がある。

 

 

 

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